サーフィンのパドリングの悩み解決と効果的な陸上トレーニング
パドリングってきつい、もっと楽に出来ないかな。。。
もっと早くパドリングできないかな。。。
サーフィンの上手な人をみると、パドリングが軽いです。
沖の方まで、涼しい顔をしてスイスイ進んでいきますし、テイクオフでも2,3回しか漕いでないようなのに楽に波に乗れています。
それを見て、同じようにやっているはずなのに、自分と何が違うのだろう、自分のパドリングのどこが悪いのだろうって、
パドリングに悩んでいるサーファーの方多いと思います。
私も、パドリングは苦手で、波が高かったりして、沖まで出ないといけないときは、
「あ〜あ、今日は修業だな〜」って思ってしまいます(^^;
サーフィンを終えた後に、もっとパドリング楽に出来ないかな、もっと上手に出来ないかなって色々調べたり、考えたりしていました。
でも、パドリングを上手くなる方法を聞くと、海でパドルしてパドル筋を鍛えるしかない!!的な答えが案外多いですよね。
海の近くに住んでいて、頻繁に海に通える人には良いですが、
海の近くに住んでいなくて、気軽に海に行くことがなかなか難しい。
もっと、海に頻繁に行けない人にも役に立つ情報があると欲しいですよね。
もちろん、海で鍛えるのが一番良いと思いますが、それだけが全てでは決してありません。
例えば、
・ボードの上での正しいポジショニングや姿勢、効率的な腕の使い方を知ること。
・陸上でも出来るトレーニングを出来る範囲で積み重ねること。
等々、海に入らずとも出来ることは色々あります。
パドリングについて理解すること、陸上トレーニングを重ねることで、少ない海での練習でも効率的に上達することが出来ます。
こんにちは!Surf Conciergeのミヤザキです。
ここでは、パドリングのポジショニングや姿勢、効率的な腕の使い方など、上手な人がやっている技術を分かりやすくお伝えます。
また、陸上でも出来るトレーニングについても紹介していきます。
このサイトで記載している内容については、パドリングに関する資料を調査しエッセンスを纏めました。
また、ここに載せている情報は、i-surfer代表の元JSPプロサーファー石関さんにチェックしてもらったものを紹介しています。
(パドリングの考え方は色々あるので、自分とは異なると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ご容赦ください。)
このページを読んでいる方(海の近くに住んでいる、住んでいないに関わらず)が、
少しでもパドリングが楽に早くなれるような情報を提供していきます。
このページでは、まずパドリングの問題と対処方を説明します。
そのあと、パドリング強化のための陸上でも出来るトレーニングについて紹介していきます。
パドリングの悩みと対策
では、始めていきたいと思います。
パドリングの悩みと言えば、下のどちらか(または、その両方)だと思います。
・沖になかなか出られない。やっと出たとしても疲れ切ってしまっていという、沖に出るパドリングに関するもの。
と
・テイクオフのとき、波に置いて行かれるので、もっと早くパドルしたいという、テイクオフ時のパドリングに関するもの。
です。
沖に出るパドリングとテイクオフ時のパドリングは、長距離走と短距離走と同じような関係にあり、
両者は同じパドリングでも悩みの原因と対策は異なるものです。
そこで、ここからは、それぞれの悩みの原因と対策について考えていきたいと思います。
沖に出るパドリング
沖になかなか出られない。やっと出たとしても疲れ切ってしまっていという、
この沖に出るパドリングの悩みの原因は主に下の2つが考えられます。
1.パドリング時に水の抵抗を受けすぎている。
つまり、パドリングの姿勢やパドリングの仕方が悪く、必要以上に水からの抵抗が発生している状態です。
2.疲れやすいパドリングをしている。
つまり、パドリング時の身体の使い方がまずく、必要以上の力や不必要な力がかかって筋肉が疲労している。
または、十分な呼吸ができず息が上がっている状態です。
では、それぞれの原因はどのようにして解消すればよいのでしょうか?
1.水からの抵抗を減らす。
サーフボードでにのって海面を進む場合、水からの抵抗を受けます。
この水から受ける力をいかにうまく逃がすかがポイントです。
(図1)
ですので、まず、ボードを海面に対して出来るだけ水平になるように乗る必要があります。
その為には、自分の身体をボードの適切な位置に乗せる必要があります。
まず,サーフボードの中心を通る線(ストリンガーと言います。)の上に頭とお尻までの身体の中心線をきちんと合わせる。(垂直軸のバランス)
(図2)
次に、ボードが海面に対して水平になるように体を置くことです。(水平軸のバランス)
ボードと体の大きさでこの位置は、人によって異なるので実際に合わせてみる必要があります。
顔を上げた際、ノーズの先が少し見える位が、水平になっているかの目安はになります。
この位置をきちんと覚えておくことが大事になります。
また、足も大事なポイントです。
足は、きちんと閉じて水に付かないようにしましょう。
足が水につくとそこが水の抵抗をうけることになります。
足を伸ばすとボードから足がはみ出る人は、足を曲げた方が良いです。
猫背はパドリングがきつい?
沖に出るパドリングが苦手な人ってのは、猫背・巻き肩の人が多いと思います。
それは、猫背・巻き肩だと、肩の回転が悪く、海水から自らの腕の抜きが難しいからです。
猫背・巻き肩を簡単に解消する方法は、残念ながら無いのですが、
下半身ストレッチや四股を続ける事で、股関節回りの筋肉の柔軟性が回復すると次第に治ってきます。
猫背だからといって、無理に背筋を伸ばそうとすると腰や背中を痛めるので避けた方が良いと思います。
ひどいときは、カイロプラクティックや整体に通うことも良いと思います。
2.疲れやすいパドリングをしている。
出来るだけ、疲れにくいパドリングをすることが大事です。
疲れにくいパドリングのポイントは下の2つです。
@無駄なエネルギ―消費を防ぐ
Aエネルギーを出来るだけ回復させる。
それぞれについて考えていきたいと思います。
@無駄なエネルギ―消費を防ぐ
沖にでるときのパドリングは無駄なエネルギー消費を避けるかがポイントです。
つまり、水からの抵抗を少なくし、さらに腕の疲労を蓄積させないことが重要です。
腕の水との接触を少なくし、より少ない回転で進める事がポイントになります。
具体的には、
・腕の振り方(水上でのフォーム)は上げすぎない。
・水面ギリギリを滑らすように前方に持っていくこと。
・水中ではあまり深く入れ過ぎないこと
・身体全体をリラックスさせながら大きくゆるやかに漕ぐこと
・肩を回すというよりもむしろ、肩甲骨を寄せるというイメージ
肩甲骨を寄せるというイメージがイマイチわかないという方は、下の水泳の動画を見てみることをお勧めします。
Aエネルギーを出来るだけ回復させる。
遠泳するときは、息継ぎの回数を増やします。
長距離を走るときもきちんと呼吸をすることが大事です。
同じように沖にでるパドリングも呼吸をきちんとすることが大事です。
プロサーファーは、沖に出るパドリングで心拍数を整えていくそうですが、
これはプロサーファーに限らず一般のサーファーにも当てはまることです。
呼吸をきちんとして、体力を少しでも回復させる意識を持つ必要があります。
呼吸が苦しいと感じたら、パドリングの回転数を少なくして、呼吸が続くようにした方が良いです。
一緒にやっている人や、周りの人が早く進んで気持ちも焦るかと思いますが、
そこは、焦る気持ちを押さえて自分がきちんと呼吸できるペースでパドルするのが大事です。
無理にバタバタパドルしても、ボードが安定せず、右左にぶれるだけで、その分水の抵抗を受けるだけなので、効果はありません。
ちなみに、自分がパドルしているときの心拍数は、AppleWatcheのようなスマートデバイスで計ることができるのでおススメです。
テイクオフのときのパドリング
次にテイクオフのときに波に置いて行かれることについて考えてみたいと思います。
これは、ボードの進む速度が波の速度に負けていることが原因です。
速度は、速度=初速+加速度×時間で表せます。
波待ちの状態では、止まっていると考えると、初速度はゼロとみなせ、速度は「加速度×時間」と考えられます。
そして、加速度は、力÷質量と表せます。
つまり、ボードの進む速度が波の速度に勝つには、漕ぐ力を上げるか、漕ぐ時間を長くするか、またはその両方ということになります。
沖に出るパドリングとは、逆に、疲労を覚悟で力強いパドルが必要になります。
パドリングの仕方も沖に出るパドリングとは異なり、所謂水泳でいうところのハイエルボーで腕を水中に深く沈めて沢山の水を掻きだすようにします。
また、腕の回転数も同じく、沖に出るパドリングとは、逆に、回転数を上げていきます。
目標は、2かきで希望する速度になることです。
上手い人は、この力が強いので、2、3回で漕ぐだけでも十分な速度がでます。
上手い人が波が来てに乗っているイメージがありますが、それはこれが理由です。
一方で、初心者やそれほど力が出せないサーファーは、力が出ないので、速度のもう一つのパラメータである、時間を増やす必要があります。
つまり、沖の方から精一杯のパドルで漕ぐということです、疲れますが・・・。
もちろん、この場合も水の抵抗を減らすために、適切なポジショニングを取ることがあるのは大前提です。
まとめ
大前提
・水からの抵抗を減らすために、ボードを水平にするようにキープする。
沖にでるパドル
・腕は肩甲骨を上手く使ってゆっくり回す
・腕は水に入れすぎない。
・心拍数を上がりすぎないようにしっかり呼吸する。
テイクオフのときのパドル
・少ない回転でスピードに乗れるように力強く回す。
・腕は、水に深く入れて推進力をつける。
・スピードが出ない人は、少し沖の方からパドルを始める。
陸上でのトレーニング
パドリング強化のための、陸上トレーニングを紹介します。
特に日ごろ海に行けない方には、おススメです。
水泳
クロールとパドリングの動きは違いますが、サーファーとスイマーの体つきは、似ています。
つまり、水泳とサーフィンパドリングで使う筋肉は同じだということです。
水泳をすることで、サーフィンが上手くなるとは言えませんが、パドリングの際のパワーや、持久力は期待できます。
実際、i-surferさんの生徒さんでも水泳をされている方は、パドリングで疲れる人は、そうでない人に比べて少ないそうです。
ということで、サーフィン体力をつけるという意味でも水泳はおススメです。
ランニング
パドリングだけでなく、どんなスポーツでも走るのは基本ですね。
ランニングをすることで心肺機能のアップされます。
心肺機能が上がれば、体力もあがるのでパドリングのときも疲れにくくなります。
エアーパドル
自分の身体を乗せられるものがあれば、例えばベンチ風の椅子などがあれば、ベンチをエアーパドルをしてみるのも有効です。
鏡など自分が写るものがあれば、エアーパドルで自分にあったフォームを確認することが出来ますし、フォーム固めにも有効です。
リバーススノウエンジェル
動画のように、うつ伏せの状態で、腕を伸ばし頭からお尻上げ下げします。
リバーススノウエンジェルでは広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋が効果的に鍛えられます。
肩のストレッチ
肩周りの筋肉は、固くなりやすいので、日ごろからストレッチをしておくことが有効です。
肩回りのストレッチは色々ありますが、バランスボールをつかった下の動画のようなストレッチも非常に有効です。
ちなみにこの動画の佐藤さんは、i-suferでトレーニングの指導もされています。
股関節のストレッチ
パドリング中は基本的に足は使わないので、下半身は関係ないと思われるかもしれませんが、
股関節回りの筋肉が固いと、パドリングの姿勢も疲れますし、パドリング時、肩がスムーズに前にいきません。
ですので、肩のストレッチ同様に股関節もストレッチをすることが大事です。
最後に
ここまで、パドリングについての悩みと対策、また、トレーニング方法について紹介してきました。
少しでもお役に立てれば嬉しいと思います。
さて、最後にもう一つアドバイスをさせてください。
それは、海でサーフィンした後に「メモ」を残してみてください。
どういう波で、パドリングはどうだったか(どういうことを試して上手くいったこと、いかなかった等)、
また、どこに筋肉痛があるかなどです。
何回かメモを繰り返すことで、自分のパドリングの弱点的なものもよりハッキリしてくると思いますし、
効果のある対策も打ちやすくなってくると思います。
Enjoy Surfin !!